10月に開業してすぐに手続きを初めて2ヶ月ほど経ち、先日、再就職手当が下りました。けっこう時間はかかりますがけっこうな額が出るので、条件が合う人は絶対申請すべきですよ…! 金額は離職時の年齢や賃金によって変わってくるので一概には言えませんが、私の場合は前職のお給料手取り1.5ヶ月分くらいが支給されました。カシオのサイトで計算できるので、一度シミュレーションしてみてから判断してもよいでしょう。
再就職手当の受給には下記の条件を満たしている必要があるので、確認しておきましょう。また、再就職手当を受給するにはまず失業手当(基本手当)の受給申請が必要なのです。そのためには「求職していること(休養、療養、妊娠、出産などで働けない場合は無効)」と「離職日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月(療養、妊娠、会社都合による退職なら6ヶ月)以上あること」が必要です。合わせて確認してくださいね。
- 就職日(=開業日)前日の時点で、失業手当(基本手当)の支給残日数が3分の1以上残っていること
- 1年を超えて勤務することが確定していること
- 7日間の待機満了日後の就職であること
- 離職理由による給付制限を受けた場合(自己都合による退職など)は、待機満了日後1ヶ月間は、ハローワークまたは許可・届け出のある職業紹介事業者の紹介により就職したものであること。 → つまり、独立や自力での転職の場合、最低1ヶ月+7日間空いていなければいけません。
- 過去3年以内に再就職手当、または常用就職支度手当を受給していないこと
- 離職前の事業主に再び雇用されたものでないこと → 例えば、独立後前職からの仕事が一定の割合を超えているとこれに引っかかる可能性がある。
- 受給資格決定前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと → 開業日=独立を決めた日や内定日は待機期間より後でなければいけない。
全て満たしていなければ不正受給になり、場合によっては受給金額の3倍の金額を納付するよう命じられることもあります。必ず守りましょう。
同じように退職を考えている方の参考になればと思い、やったことややっておけばよかったことをメモしておきます。
退職の前に
再就職手当をもらうかどうかに関係なく、ある程度の準備は必要です。恥ずかしながら私はここが不十分で後悔しました…。
まず貯金。当たり前のことですが、退職するということは権利収入などがない限りはお給料がなくなります。特に独立する場合、最初はなかなかお仕事が入らないもので、経済的に、精神的に辛い時期です。少なくとも半年は困らない程度の貯金をしてから退職しましょう。もちろん待遇や職場の人間関係が悪すぎて心身に悪影響が出ている場合はすぐ退職して逃げましょう。パワハラや給料未払いなどひどい場合は会社都合の退職にしてもらえるケースもありますから、ハローワークで相談してみてください。自己都合で退職しても、職業訓練を受ければすぐ失業手当が下ります。詳しくは調べてみてくださいね。
次に営業。先述のとおり、独立直後はなかなかお仕事がありません。在職中から人脈を広げ、退職することをアピールしておくのをおすすめします。もちろん独立だけでなく、よりよい職場に転職する選択肢もありますから、それも含めて探してみることをおすすめします。
退職
前の職場から、離職票と源泉徴収票を受け取ります。これはできるかぎり早いほうがよいです(失業手当の申請・受給がそのぶんずれ込むので)。離職日翌日から10日以内に発行してもらえない場合は違法なので、ハローワークに相談してください。
また、健康保険を任意継続する場合必要なので、返却する前に保険証の番号を控えておくとよいです。なくても自分の名前を言えば申請の際に調べてもらえるのですが、あれば手間が省けてスムーズです。
ハローワークで雇用保険の手続きをする
住所地管轄のハローワークで離職票とともに失業手当受給・求職申し込みの手続きをします。必要な書類は下記の通りです。
- 離職票
- マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード
- 運転免許証などの身元確認書類
- 証明写真(縦3cm× 横2.5cm)2枚
- 印鑑
- 本人名義の預金通帳またはキャッシュカード(ネットバンクは使えない可能性があるので、メガバンクや地銀、ゆうちょが確実)
証明写真は証明写真機で撮ってもいいですが高いので、 美肌証明写真というアプリで撮って印刷用のデータを作ります。合わせてPrintSmashというアプリを使えば、ファミマやローソンのコピー機にスマホからデータを送信できますし、LINE経由でネットプリントできるコンビニ(セブン、ローソン、ファミマ)もあります。写真用のL判にカラー印刷するので、しめて30円です。
雇用保険説明会に参加する
指定された日時に、雇用保険説明会に参加します。遅刻しないようにきっちり参加しましょう。また、よほどの理由がない限り原則として期日の変更はできないので気をつけて。
失業認定申告書を提出する
雇用保険説明会で確定した失業認定日にハローワークへ行き、失業認定申告書を提出します。失業手当を受給するためには、月に2回求職活動することが求められますが、初回のみ雇用保険説明会1回で満たすことができます。
健康保険の手続きをする
退職するともちろん健康保険も抜けてしまうので、下記のいずれかの手続きをします。
前職の健康保険を任意継続する
退職から2年間は今まで入っていた健康保険を任意継続できるので、扶養に入らない場合は退職から20日以内に手続きをします。職種によっては文芸美術国民健康保険組合などに加入できるので、保険料を比較して安い方を選びましょう。
家族の扶養に入る手続きをする
退職から年末までの間の所得が103万円を超える見込みがないなら、家族の扶養に入ることができます。独立当初は仕事が少なく、健康保険料や年金の負担が重くのしかかります。扶養者に手続きをしてもらうことになるので手続きは多少面倒ですが、扶養に入れば健康保険や年金を扶養者の勤務先に負担してもらえるので、できれば入っておきたいです。
開業届を提出する
管轄の税務署に開業届を提出します。この日が就職日となります。開業 freeeを使うと書類を自動で作成してくれるので、マイナンバーを記入し印鑑を押すだけでいいので楽ちん。
1 年のサブスクリプション契約を日にちをずらして契約
再就職手当の申請には1年以上事業を継続することの証明が必要です。1年を超えて、つまり1年と1日以上事業を継続することを証明するため、シェアオフィス、クラウド会計ソフト、サーバなどの年間契約を複数、日にちをずらして契約します。
ハローワークで自営開始手続きをする
仕事が決まった場合、就職日前日に届け出ることとされていますが、普通の会社員なら平日日中ハローワークに来ることができないからという理由でこうなっているだけとのことです。なので、来られるなら開業当日以降でも問題はないそうです。
ハローワークで再就職手当を申請する
1年以上の契約書をプリントアウトして添付します。私はfreeeとさくらのメールサーバを日にちをずらして契約し、(契約書が見当たらなかったので)領収書を持参したところ受理はされました。しかし後日、審査に通りそうにないので追加で職務経歴書と開業1ヶ月後以降の請求書(機材購入など)を要求されました。金額が安いと審査に通りにくいようです。
再就職手当が支給される
審査に通ると通知が郵送されます。お疲れさまでした! 頃合いを見計らって口座を確認してみましょう。